今日のこと

保健所に行った。

想像していた通りの、薄ら汚れた、でかくて白くてさみしい四角だった。

受付のばばあの、ちりちりにこんがらがった白髪の中で、コバエらしき虫が死んでいた。

気になってしょうがなくなり、頭に虫います!と言って指に取った。

ばばあはわたしの指から虫をつまみ取り、じっと見て、蟻だっ!と無邪気に笑った。

HIV検査をした。

陰性だった。

帰りの電車に、とても声が高く、とても背の高い、おそろいの赤いTシャツを着た坊主にめがねの二人組が立っていた。

会話しているのに向かい合わず、同じ方をむき同じ顔をしていた。

夢をみているような気分になった。

二人組と、女子高生集団の喋り声が頭の中でぐわんぐわんしてきたから、久しぶりに銀杏BOYZを聞いた。

峯田の声、おばあちゃんみたいに優しかった。