天使はキッチンで棒立ち!
今朝、わたしに取り憑いている天使が、お料理をしなさいと言った!
確信的な気分になったとたんに、一切の不安がきえて、わたしは、元気いっぱいになった。
とりあえず、豚肉を3時間煮込んだ。夜、ねぎを刻んでのせる。
犯した罪は消えないけれど、言葉を吐いてもけむりみたいに消えていくけれど、わたしのお料理だけは、愛そのものなのだ。
彼が旅立つまでのあいだ、おいしいお料理を、たくさん、一緒にたべるのだ。
あと、何回、できるのだろ。
オニオングラタンスープ、アクアパッツァ、手巻きずし、おいなりさん、ハンバーグ、すきやき、パイにつつむやつ、チーズケーキ、おぞうに、マロングラッセ、ぜんぶ、ぜんぶ、つくってあげる!
これは、わたしのような不誠実で不健康で不美人な女に、4年もよりそってくれた、強くやさしい男への、心からのおわびであり、旅立ちのはなむけであり、胸いっぱいの感謝であり、あふれる情愛であり、ずっと未来までつづく友愛なのだ。